2025年1月20日、トランプ大統領が就任してからはニュースで顔を見ない日はありませんね。
特にトランプ政権の関税政策(トランプ関税)が話題となり、「相互関税」「関税政策」などの言葉が良く聞かれるようになりましたが、アップルのiPhoneは2025年第1四半期(1月〜3月)出荷台数が過去最高を記録しました。とはいえ、その裏には米中貿易摩擦と関税リスクが隠されているようです。
この記事では、アップルがどう動き、どうして売上を伸ばせたのかをわかりやすく解説します。
第1四半期に10%増を記録したiPhone出荷の背景
駆け込み需要と関税適用前の動き
対中トランプ関税により、多くのメーカーが関税適用前に輸入や増産を行ったことは、iPhoneの出荷台数にも影響を与えました。新モデル「iPhone16」や「iPhone16e」の販売タイミングと重なったことから、駆け込み需要が急増したようです。
アップルはこの状況を見越して、関税影響が価格に及ぶ前に出荷を増加させたことで、供給の混乱や価格上昇への備えを急ぎ、1〜3月期の出荷台数が前年同期比10%増を記録しました。それと同時に、世界スマートフォン市場におけるアップルのシェアは17.5%から19.0%に拡大しました。
米国市場での販売拡大のポイント
米国市場では「iPhone16」「iPhone16 Pro」などの新型モデルが発売後も高い人気を維持しました。他社製品に比べて長期にわたるソフトウェアアップデートが提供されることや、Apple PayやiCloudなどの付加価値サービスも、ユーザーの購入意欲を高める要因と言えます。
さらに、iPhoneの価格を末端で引き上げない工夫を行い、価格競争力を維持し続けたことが米国内での販売増加の一因となりました。
中国に依存するサプライチェーンの変化
アップルは長らく中国を主要な生産拠点として利用してきましたが、中国で生産されたiPhoneが米国市場に輸出される際、最大34%もの追加関税が適用されるリスクが発生しました。この影響により、販売価格が2300ドル近くへ跳ね上がる可能性が指摘されていました。
このことから、関税の負担増加によるコスト上昇や物流の停滞が発生することを予測し、従来のスムーズな生産体制に変化が求められることとなりました。アップルは、以前よりサプライチェーンの多様化に取り組んでおり、生産拠点をインドやベトナムへと段階的に分散化を進めています。
因みに、トランプ政権は4月11日、相互関税の対象からスマートフォンとコンピューターなどは除外すると発表しました。
中国市場では苦戦?補助金制度の影響も
中国市場における影響
一方で、中国市場での販売は伸び悩んでいます。2025年1月に中国政府が開始したスマートフォン購入に対する補助金制度では、6000人民元(約820ドル)未満の端末が対象となっていますが、アップルの主力であるProモデルはこの対象から外れています。
そのため、中国メーカーであるXiaomi(シャオミ)やVivo(ヴィーヴォ)などが販売を伸ばしており、アップルは競争力を維持するのに苦戦を強いられています。中国での市場戦略が今後の課題となるでしょう。
競争環境下でのアップルの強みと未来展望
高価格帯市場でのポジショニングと読みの鋭さ
アップルは高価格帯市場で確固たるポジションを確立しています。「iPhone 16 Pro」や「iPhone 16 Pro Max」など、革新的な製品群によってプレミアム市場でのブランド価値を維持しつつ、競争力を発揮しています。特に価格変動の影響を受けにくい高価格帯のセグメントで、アップルが圧倒的な存在感を示している点は、競合他社との差別化要因となっています。
また、今期の出荷台数の増加は、関税政策や新機種発売の時期を織り込み、長期・短期的な今後を見据えた販売戦略が功を奏したと言えるでしょう。
次世代モデルに期待される技術と方向性
アップルの次世代モデルには、さらなる技術革新の期待が寄せられています。例えば、2026年頃には折りたたみディスプレイ式の端末の発売が予想されており、他にも拡張現実(AR)機能の強化、環境に配慮したサステナブルな素材の活用などが注目されています。
さらに、電力効率に優れたチップの開発や、5G通信技術のさらなる進化により、ユーザー体験が大幅に向上する見通しです。これらの技術が次世代のiPhoneに搭載されることで、アップルは市場のニーズを満たしつつ、競争環境下での優位性を一層高めることが期待されます。
次世代モデルに期待される技術と方向性
アップルの次世代モデルには、さらなる技術革新の期待が寄せられています。例えば、2026年頃には折りたたみディスプレイ式の端末の発売が予想されており、他にも拡張現実(AR)機能の強化、環境に配慮したサステナブルな素材の活用などが注目されています。
さらに、電力効率に優れたチップの開発や、5G通信技術のさらなる進化により、ユーザー体験が大幅に向上する見通しです。これらの技術が次世代のiPhoneに搭載されることで、アップルは市場のニーズを満たしつつ、競争環境下での優位性を一層高めることが期待されます。
まとめ
次の四半期以降も、引き続き売上がどうなるのか、勢いがそがれた中国市場をどのように制していくのかが注目されます。ますます進化するiPhoneの今後も楽しみですね。
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